お正月の風物詩といえる箱根駅伝。2020年1月2日そして3日に第96回箱根駅伝が開催されます。
箱根駅伝を愛してやまないブログ管理人のayaです。
大学生が20キロ以上の距離を風のように走り抜け、箱根の急坂を激走。時にはフラフラになりながらタスキをつなぐどのシーンもまるでドラマのようで感動的!
今年の夏は、芦ノ湖にある箱根駅伝ミュージアムに行ってきました。箱根駅伝の歴史や歴代のユニフォームなどが展示してあってとても感動的でしたよ。
箱根駅伝なんてつまらないという、「ちまたの声」もあるとか・・・
ええ~っ??こんなに面白いのに何故なんだろうと、その理由を推測してみました。
箱根駅伝がつまらないと思う理由について考えてみた
- 青山学院ばかり勝って、今年も決まりなんじゃない?
- 何時間もただ、走り続けているのを見て何が面白いのかわからない
- お正月は、出かけたり、客が来たりして忙しくてゆっくり何時間も見ていられない
- 駅伝はオリンピック種目じゃないしぱっとしない
2019年は東海大学が優勝でしたが・・・
箱根駅伝なんてつまらないと思う理由を勝手に想像してみました。あなたはどうですか?
私は、箱根駅伝の大ファンで、毎年お正月の2日と3日はスタート前からテレビの前に釘付け。
つまらなく感じるのは、もしかすると「その面白さを知らないからなのでは?」と思うのです。
区間ごとに違う、特徴や見どころ。エントリー変更やエース選手の思わぬブレーキなど、見どころ満載。
それに、箱根駅伝の歴史を知れば、この大会を95年も前から支え、続ける努力をしてきた人々への感謝の気持ちも持っていただけるのではないかしら。
ぜひぜひ、この記事を参考にしてもらって、今度の箱根駅伝を楽しんで欲しいです!
まず、全10区の箱根駅伝のコースの特徴や記録をご紹介します。
箱根駅伝区間ごとの特徴と見どころ
箱根駅伝の区間ごとの距離や特徴、区間記録を簡単にまとめてみました。それぞれの区間ごとにドラマが隠されていますよ♪
区間 | スタート地点 | 距離 | 特徴と見どころ |
---|---|---|---|
1区 | 大手町 | 21.3㎞ | 1月2日午前8時一斉スタート。レースの流れをつくる、非常に重要な区間で各校を代表するエースクラスが集う。抜け出すのはどのチーム? |
2区 | 鶴見中継所 | 23.1㎞ | 「花の2区」と呼ばれる区間。2つの上り坂あり。1区で出遅れたチームのごぼう抜き記録が出るか? |
3区 | 戸塚中継所 | 21.4㎞ | 湘南海岸沿いの平坦なコースですが海風の影響を受けやすい区間 |
4区 | 平塚中継所 | 20.9㎞ | 細かいアップダウンが続き、距離のわりにスピードが出にくい |
5区 | 小田原中継所 | 20.8㎞ | 俗に「山上り」と呼ばれ、標高差864mを駆け上がる過酷な区間。驚異の走りをする”山の神”が出現するか? |
6区 | 芦ノ湖 | 20.8㎞ | 「山下り」区間と呼ばれる。カーブや路面の凍結に耐え、下りでの平均速度は時速25kmに達するとか! |
7区 | 小田原中継所 | 21.3㎞ | 10区間中、最も走りやすい区間といわれるが、最も気温差が激しく体温調節が難しい |
8区 | 平塚中継所 | 21.4㎞ | 通称「遊行寺の坂」が待ち構えるタフなコース。区間記録は現在のコースで最も古い(1997年) |
9区 | 戸塚中継所 | 23.1㎞ | 各校のキャプテンないし、準エースクラスが集うことが多い。悔しい繰り上げスタートや大逆転などが起きる区間 |
10区 | 鶴見中継所 | 23.0㎞ | 最終区間である上に、沿道の観衆も増える事から、プレッシャーがかかる。激しいシード権争いにも注目 |
どの区間も見どころ満載で、目が離せません。
箱根駅伝を楽しむためのポイントをいくつかまとめてみました。
箱根駅伝を楽しむ注目ポイント
箱根駅伝を楽しむためのポイントをあげてみました。
- 優勝争い・・昨年5連覇を逃した青山学院はどうなるのか
- 2区のごぼう抜き
- 5区の山登り
- 10区のシード権争い
- 区間記録
優勝争い
昨年くしくも5連覇を逃した青山学院大学が復活なるか?ですね。
2018年の優勝報告会で青山学院の原監督は「5連覇、6連覇していけるよう努力する」と高らかに宣言したそうです。
2019年総合優勝の東海大学はどうなるのか?
2018年の往路優勝は東洋大学でした。17年連続77回目参加の実力で、どう攻めてくるか楽しみです。
また、総合優勝13回の早稲田、関東インカレ成績枠で出場(下の説明を参照ください)の日本大学も総合優勝12回の実力です。早さを誇る東海大学も優勝候補の一角という見解も見られます。
「関東インカレ成績枠」とは、2014~2018年に開催される関東学生対校陸上(関東インカレ)における「総合得点」が最も多い大学(※1部校に限る)に箱根駅伝出場権を与えるというものです。
2区ごぼう抜き
下位でタスキを受け取りながら、すごいスピードでごぼう抜きするシーンは抜かれる選手には申し訳ないけれど、見ていて爽快です。
ごぼう抜きの最多記録は2009年、のギアウ・ダニエル(ケニア出身)の20人抜き。22位でタスキを受け取ったのに2位まで順位を上げました。
チーム同士の差が少ない2区にごぼう抜き記録が生まれやすいようです。2区のごぼう抜きにも注目です。
5区山登り
5区は、標高約40mの小田原中継所から国道1号線最高地点、標高874mまで、一気に駆け上がる険しいコース。箱根駅伝の醍醐味ともいえます。
”山の神”と呼ばれる、今井正人(2005年~2007年)柏原竜二(2010年~2013年)神野大地(2015年~2016年)のようなスーパースターが現れてから、さらに注目を集めていますね。
実は私、この夏箱根に行き、「5区の山登りってどんなところだろう?」と小田原と芦ノ湖の間を往復ドライブしました。
ここを1時間余りで駆け上がるその脚力って・・・人間の能力ってここまで鍛えられるものかと思いました。今年の5区にはどんなドラマが生まれるのでしょう。
10区シード権争い
シード権というのは、10位までにゴールしたチームが「次回も箱根駅伝に出場してもいいですよ」という権利のこと。
11位以下になると、翌年の箱根駅伝に出場するために、熾烈な予選会を戦わなければならないのです。
だから、10位以内で大手町のゴールに入るため、ぎりぎりの攻防が繰り広げられます。
区間新記録
最後の注目ポイントは区間新記録。
2019年の大会では新記録続出でしたね。
区間ごとの新記録保持者と大学名を一覧にしました。
区間 | 選手名 | 大学名 | タイム | 年 |
---|---|---|---|---|
1区 | 佐藤 悠基 | 東海大学 | 1時間01分06秒 | 2007年 (第83回) |
2区 | メクボ・J・モグス | 山梨学院大学 | 1時間06分04秒 | 2009年 (第85回) |
3区 | 森田 歩希 | 青山学院大学 | 1時間01分26秒 | 2019年 (第95回) |
4区 | 相澤 晃 | 東洋大学 | 1時間00分54秒 | 2019年 (第95回) |
5区 | 浦野 雄平 | 國學院大學 | 1時間10分54秒 | 2019年 (第95回) |
6区 | 小野田 勇次 | 青山学院大学 | 57分57秒 | 2019年 (第95回) |
7区 | 林 奎介 | 青山学院大学 | 1時間02分16秒 | 2018年 (第94回) |
8区 | 小松 陽平 | 東海大学 | 1時間03分49秒 | 2019年 (第95回) |
9区 | 篠藤 淳 | 中央学院大学 | 1時間08分01秒 | 2008年 (第84回) |
10区 | 松瀬 元太 | 順天堂大学 | 1時間08分59秒 | 2007年 (第83回) |
山上りの5区は、23.4kmから、2015年には23.2kmに、さらに2017年から20.8kmに変更され距離が短縮されています。10年連続で5区の区間賞を取った学校が往路優勝していることから、山登りの力の差で勝敗が決まってしまうのを緩和したともいわれています。
また、ほとんどの区間は2000年以降に新記録が更新されているのに、8区の記録は1997年の古田選手でしたが、昨年22年ぶりに更新されましたね。
箱根が大好きといいながら、実は詳しいことをあまり知りませんでした。
そこで、箱根駅伝とはどういう大会か、またその歴史など、おさらいしてみましょう。
箱根駅伝とは
箱根駅伝の正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」大学対抗の駅伝大会です。
主催は関東学生陸上競技連盟。なので、関東の大学しかこの大会に参加できません。
関東に含まれるのは、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県となっています。
箱根駅伝に出場できるのは20校ですが、これとは別に出場校以外の競技者による関東学生連合チーム(オープン参加)が出場します。
2019年の関東学生連合のメンバー16人に東大の近藤がチーム入りしました。東大の選手もちゃんと予選会に出るんですね。(文武両道とはすごいです!)
2019年は第95回で(5年ごとの)記念大会にあたり、「関東インカレ」成績枠が設けられるため、全23チームで争われることになります。
つぎに、箱根駅伝のはじまりの歴史についてご紹介します。
箱根駅伝の始まりはストックホルムオリンピック?
箱根駅伝の始まりは、いまから100年近く前の1920年(大正9)、金栗 四三(かなくり しそう)が創始者です。いったいどんな人なんでしょう?
第1回箱根駅伝の開催
金栗 四三は、1891年(明治24年)生まれ。1911年(明治44年)にストックホルムオリンピックに向けたマラソンの予選会に出場しました。当時の世界記録を27分も縮める大記録(2時間32分45秒)を出して、日本人初のオリンピック選手となったすごい人なんです。
この時、オリンピックに向かう選手たちは、シベリア鉄道で20日もかかってスウェーデンにたどり着きます。今のようなサポート体制もありませんでした。
初めての渡航で万全な体調での参加は難しく、残念ながら日射病で途中棄権となってしまったのです。(意識を失って気づいたのは翌朝だったそうです。)
彼はその無念の思いから、マラソンの普及と長距離選手の強化に力を注ぎ、マラソンの父とよばれています。
尽力の結果、第1回大会は報知新聞(のちの読売新聞)の賛同を得て、東京-箱根間往復を1校10人で走る大会としました。今の箱根駅伝とほぼ同じですね。
その当時、参加できる選手をそろえることができたのはわずかに早稲田、慶応、明治、東京高師の4校だけ。
第1回大会は「四大校駅伝競走」の名前で行われ、有楽町の報知新聞社前をスタート地点として、1920年(大正9年)2月14日に開催されました。
学生三大駅伝と呼ばれる駅伝は、
- 出雲駅伝(10月)
- 全日本大学駅伝(11月)
- 箱根駅伝(1月)
ですが、箱根駅伝は前述したように、全国大会ではないのです。なんでこんなに人気なんでしょうね?
箱根が人気になったのは
箱根駅伝は、関東だけの地方大会なのに、世間の注目度がダントツに高いのは何故なんでしょう。
その一番の理由は、お正月に往路スタートから復路ゴールまで2日間に渡り、実況中継されていること。
また、東京から、箱根、往路107.5 km、復路109.6 km、計217.1 kmもの長い距離で富士山が見えるコースの魅力でしょう。
お正月の実況中継はいつから
もともと箱根駅伝は、お正月ではなく、2月に開催されていました。それが、高度成長を迎え、車の台数が急増したため、コースの交通事情などから1956年から比較的車の量が少ないお正月に開催されるようになったのです。
誰もが、お正月気分でこたつに寝転んで、お腹が空いてもないのにだらだら食べ続けている怠惰な時間。
その時に、テレビではランニングウエアで、鍛え抜かれた選手が20キロ以上の距離を疾走するのです。
その姿を見ると・・・
思わず、「今年こそは運動しよう!」なんて、選手と一緒に走っているような高揚した気持ちに。そんな人は私だけ(笑)?
全区間実況中継は第65回から
テレビ中継が開始されたのは意外と遅く、第55回大会(1979年)から。当初はテレビ東京がテレビ中継を放送しました。ただ、往路・復路共にダイジェスト版で録画放送でした。
8年後の、第63回(1987年)から日本テレビに移り、日本テレビ系列全国ネットでの生中継が始まりました。今のように全区間の完全生中継になったのは第65回(1989年)から。
第82回(2006年)からハイビジョン制作となり、第90回(2014年)からは予選会についても地上波で生中継されています。
終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
箱根駅伝なんて、つまらない。と思っていたけど、ちょっとは面白そうと興味を持っていただけたでしょうか?
お気に入り大学や選手があれば応援にも、さらに熱が入るかもしれません。
お正月の2日間、テレビの前でしっかり応援しましょうね。
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