地球の温暖化が進み、年々最高気温を更新しています。私が子供だった頃、31度か32度くらいだった最高気温。この頃は、38度、39度という気温が珍しくなくなっています。
熱中症で大勢の人が病院に搬送されたというニュースを夏になると毎日聞きます。夏が苦手な私は早く涼しくなってほしいといつも思いますが、夏が好きな人も嫌いな人も夏バテせずに元気に夏を乗り切りたいと誰でもが思います。
2018年の夏の気温は
長期予報の段階ですが、今年の夏(6月~8月)は高気圧に覆われやすく、全国的に平年より気温が高くなる予想です。最高気温が35℃を超える猛暑日も多くなる見通し。ちなみに、2017年(平成29年)7月の気温は、全国的に平年より1℃以上高く、暑い日が多くなりました。8月は東海から九州・沖縄で平年より気温が高い日が多くなっています。
そもそも「夏バテ」ってどうしてなるの?
夏バテ(なつばて)とは夏の暑さによる自律神経系の乱れが原因で現れる様々な症状で、代表的な症状として以下のようなものがあります。
- 全身がだるく、疲れがとれない
- 胃腸の調子が悪くなり、食欲がなくなる
- 疲れているのに夜眠れない
自律神経とは、呼吸、消化吸収、血液循環、体温、心拍数などを調整している神経のことで、体のほとんどの器官は、脳にある自律神経の中枢によってコントロールされています。
自律神経が夏に乱れてしまうのは何故なのでしょう
暑さ:体温調節のために自律神経がフル稼働
暑いと汗をかきます。汗が蒸発することで体の熱を放出して、一定の体温を保っているのです。この働きを担っているのが自律神経で、暑くて大量に汗をかく夏は、自律神経が常に働き続けているのです。
夜間にも寝汗をかくような状態でいると、眠っているにも関わらず自律神経は一晩中酷使され、疲れがたまってしまうのです。
寒暖差:変化に対応し続ける
2つめの要因は「寒暖差」です。朝晩と日中との寒暖差と冷房による寒暖差の2つがあります。屋外と室内との温度差はもちろんですが、室内にいても上半身と足元では温度差があります。
冷たい空気は下にたまるので、とくに冷え症に悩む方が多い女性は、仕事で1日冷房の効いた室内にいると足元の冷えを訴える場合が少なくありません。
汗をよくかく人は、エアコンの効いた室内や車内に入ると体が急激に冷えてしまいます。汗をかくことでエネルギーを消費して、疲れと冷えのダブルパンチに見舞われるのです。
一方、もともと体力の乏しい人はエアコンで冷えるとだるくなり、食欲不振や下痢をよく起こします。こうした温度変化にも自律神経は対応しなければならず、どんどん疲弊してしまいます。エアコンの冷えを防止するために衣服はプラス1枚を持ち歩き「寒かったら羽織る、暑かったら脱ぐ」を習慣にしておくと体の冷えを防ぐことができます。
紫外線を浴びると活性酸素が発生
3つめの要因は「紫外線」です。
夏(7~8月)は1年のうちでも紫外線量が最も多くなる時期。紫外線を浴びると体内で疲労のもととなる活性酸素が生じます。
海にでかけたときに、泳がずに太陽の光を浴びるだけでもグッタリ疲れることがあるのはこれが原因です。紫外線は反射・散乱しやすい性質があり、日陰でも室内にいても、知らず知らずのうちに浴びていることが少なくないので注意が必要です。
「暑さ」も「寒暖差」も「紫外線」も夏にはつきもので、避けられるものではありません。
夏バテを解消、予防するために良い睡眠を
きちんと寝たはずなのに疲れが取れていなかったり、日中眠くなったりするという方は、質の良い睡眠がとれていない可能性があります。睡眠はただ長時間眠ればいいというわけではありません。大切なのは、睡眠時間より睡眠の質です。
エアコンで寝汗を防ぎ疲労を回復
眠っている間に大量の寝汗をかくということは自律神経を酷使している状態で、せっかく疲労を回復するための睡眠なのに、逆に疲れて夏バテの原因になります。睡眠の質を上げて疲労を回復するには、エアコンを上手に使って室温や湿度を調節し、寝汗をかかないようにする必要があります。
エアコンのタイマーを1~2時間にしていると、切れるとすぐに室温が上がって切れた後たくさんの寝汗をかいてしまう、目が覚めてしまい眠れなくなることも。思い切って朝までエアコンをつけっぱなしにしておくようにしましょう。エアコンの風が体に直接当たらないように風向を調整すれば、体が冷えすぎるのを防げます。
ただし冷やしすぎには注意。寝室の温度は夏の場合約25℃から27℃、湿度は50%から60%に設定することで、快適に睡眠をとることが可能です。
入浴はぬるめの風呂で、眠りやすい体にする
よい睡眠をとるためには入浴も大切なポイントです。「熱い風呂に入ると血行が良くなってぐっすり眠れる」気がしますが、熱い湯の風呂に入ると汗をかき、自律神経が疲れます。眠りにくくなるだけでなく逆に疲れやすくなるので注意しましょう。
シャワーでさっと汚れや汗を落とすのは、自律神経を疲労させないためにはいいのですが、よりよく眠るには38〜40度くらいのぬるめのお湯に5〜10分くらい入るのが効果的です。ぬるめのお湯であれば疲れをためず、体の深部体温を上げることができます。
少し深部体温を上げてあげることで血行がよくなり、入眠する時刻には深部体温が下がって深い眠りに入りやすくなります。ですから、入浴は、就寝1時間前までに済ましておきましょう。入浴によって温まった体温が次第に下がることによって、自然な眠気を呼び起こします。
就寝前にしないほうがいいこと
就寝前の喫煙も控えてください。
タバコに含まれるニコチンは脳を覚醒させ、眠りを遠ざけます。覚醒作用は1時間程度持続するため、少なくとも就寝前1時間は喫煙をしないことが大切です。
就寝前はパソコン、スマートフォン使用を控える
就寝前にパソコンやスマートフォンを操作している方も多いと思います。しかし、パソコンやスマートフォンから発生する「ブルーライト」は、脳を刺激し活性化させる原因となります。そのため、就寝前の1時間から2時間はパソコンやスマートフォンの使用は控えるようにしてください。
寝る3時間前には夕食をとる
また、食事は就寝2時間前から3時間前までにとるようにしましょう。消化器官が動いている状態で眠っても脳は働き続けているため、質の良い睡眠をとることができません。
まとめ
今年の夏も厳しい暑さが予想されます。良い睡眠で夏バテ予防、回復ができるように、就寝前の習慣を見直し、エアコンを上手に使って元気に夏を乗り切りましょう。
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